でてこいでてこい
『でてこいでてこい(0.1.2.えほん)』
作 林明子
出版社 福音館書店
発行日 1998年4月15日
※月刊「こどものとも0.1.2.」1995年4月1日発行
価格 ¥700+税
緑の葉っぱ。だれか、かくれてるよ。「でてこい でてこい」と、呼びかけると・・・?
「げこ、げこ、げこ」葉っぱから飛び出したのは、緑色のかえるでした。
次は鮮やかなピンク色をした五角形です。だれか、かくれてるよ。「でてこい でてこい」・・・。
「ぴょーん、ぴょん」五角形から飛び出したのは、ピンク色をしたうさぎでした。
次はなんだか長いかたち。今度はなんの動物かな?
* * * * * * *
わくわくしながらページをめくれば、のっぺりとした色紙のようなところから、躍動感あふれる動物たちが切り絵のように飛び出してきます。まるで、「さっきのところに隠れていたんだよ。」「分からなかったの?」とでも言うように。その美しいシルエットにはうっとりさせられます。
最後に出てくる動物は、“ぞう”と“あり”。この対比が良いですね。子どもたちに読んでも、ぞうを指さしては「ぱおーん!」と鳴き真似までして喜んでくれる子どもと、小さなありをそっと指さして嬉しそうにしている子どもとがいて、おもしろいなと思います。
シンプルですが、「でてこい でてこい」のところは子どもと声を揃えて読んだり、動物が飛び出してくるところはその動作を真似してみたりと、自由に楽しめる1冊です。