まりーちゃんとおおあめ

『まりーちゃんとおおあめ』

作 フランソワーズ
訳 きじまはじめ
出版社 福音館書店
発行日 1968年6月20日
価格 ¥1,200+税

pieni silta

大雨が降って、あたり一面水浸し!とうとうまりーちゃんのお家も、水に浸かってしまいました。まりーちゃんは、お母さんに言われた通り、おばあちゃんを2階に連れて行きます。お父さんに言われるように、馬や牛たちも安全な山の上に連れて行きました。そうしてまりーちゃんも家の2階にあがりましたが、まわりは水に浸かってしまって、もう身動きがとれません。そんなとき、あひるのまでろんが水の上をすいすい泳いで、どこかへ行ってしまいました――。

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『まりーちゃんとおおあめ』というよりは、むしろ『まりーちゃんとこうずい』の方がぴったりなくらい!(でもタイトルとしては、“おおあめ”の方が素敵ですね。笑)暗い空に、増える水かさに、はらはらしてしまいます。でも、までろんの大活躍によって、なんとか危機を乗り越えるまりーちゃんたち。雨がやむと、おひさまがきらきらと光りはじめました。まるで別世界のように、おひさまはまたまりーちゃんたちを照らします。そのあたたかな光やすがすがしい気分が、絵本いっぱいに広がっています。
それで終わりではなくて、村の学校では先生が子どもたちに、家の中が泥だらけになって困っている人たちの力になるように伝えます。ほうきをもって出発する子どもたちは、なんだか頼もしい。
雨が降ると普段通りのことができなくて困ることもあるけれど、雨が続くと、続いた分だけ晴れの日の朗らかな気持ちは大きくなるのかもしれませんね。