ももいろのきりん

『ももいろのきりん(福音館創作童話シリーズ)』

作 中川李枝子
絵 中川宗弥
出版社 福音館書店
発行日 1965年7月1日
定価 ¥1,300+税


お母さんからとても大きな桃色の紙をもらったるるこは、その紙で大きなキリンを作ることにしました。「キリカ」という名前をつけて、最後にクレヨンで目をふたつ、そうして口を描きました。するとびっくり!キリカはしゃべり出し、のりが乾くとたちまち元気に動き出したのです。
次の日のこと、キリカが遠くを見渡していると、山のてっぺんにクレヨンのなる木を見つけました。キリカはるるこを背中に乗せると、山へ向かって風のように走っていきました・・・。

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「とらた」シリーズや『おてがみ』など(どちらも福音館書店)と並び、中川李枝子さんと中川宗弥さんご夫妻による作品です。冒険心くすぐられるお話に、のびやかで流れるような線で描かれた絵。途中までは黒と桃色のみで描かれていて、森へ行くシーン(真ん中くらい)から色とりどりの彩色が施されています。その変化が大胆で、ぱっと大きく場面が変わるような感じがします。事実、そこからるることキリカの冒険が始まり、さまざまな動物たちとの出会いもあります。
絵を描くこと、ものを作ることが好きな子どもたちなら、特にわくわくするようなお話です。