たんぽぽ
『たんぽぽ』
作 甲斐信枝
出版社 金の星社
価格 ¥1,300+税
今年初めてのたんぽぽがそおっとつぼみを開くと、あたたかくなるにつれて大きな花を咲かせ、どんどん背を伸ばしました。夕方、たんぽぽは花をひとつひとつつぼませて眠ります。寒い日は急いで、あたたかい日はゆっくりと。ある日ひとつのたんぽぽだけが、花をつぼんだまま体を横にしています。何日か経つと、そのたんぽぽはぴんと背筋を伸ばしました。花は変わらずつぼませたまま、いつの間にか一番背高のっぽです。そのつぼみが、少しずつふくらんで・・・?
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3月に入って、店の前にたんぽぽのロゼットが青々と広がっているのを見つけました。それもいくつも。よし!思わずそう思ったのは、昨年の春にたんぽぽが咲いたころ、たんぽぽの綿毛を店の前にまいておいたから。ちゃんと根付いていたことが分かって嬉しくて、花が咲くのを楽しみにしていました。そんなたんぽぽが、ここ数日の間にぐんぐん成長して、本当にこの絵本の通り、はじめはそおっと・・・そのあとはもう待ちきれないというように、どんどん花を咲かせました。
綿毛になっても、今回はそっとしておこうかな。そんなことを考えていたら、俵万智さんの詩集『たんぽぽの日々(小学館)』を読み返したくなりました。
ちなみにこの絵本、ページが左右に大きく広がる場面があります。このページの迫力といったら!ぜひ実際にお手に取ってご覧いただけたら嬉しいです。